暑さ寒さも彼岸までと言われるが、お彼岸を目の前にして一気に秋の様相が強くなってきた。
秋になるとより一層香りを楽しみたくなり、一日の中でも精油を焚く時間が長くなる。
暑い夏は、爽やかなクリーンな香りを選びがちだが、秋になると夏には選ばなかった気持ちにずーんと響くちょっと重めの香りが恋しくなる。
だんだんと日照時間も短くなり、夜の時間が長くなってくる秋はランコリックに傾いてプチ鬱気分に浸りがちになる。
そんな時に香りはとても心強い着付け薬になる。
秋にお勧めの香りは、ベルガモット。
紅茶のアールグレイの香りづけにも使われるベルガモットは、心に落ち着きとちょっと贅沢なリラックス感をもたらせてくれる。
ビターな柑橘系の香りはまさに大人の香りで人気の高い精油のひとつ。
柑橘系でありながら、柑橘系特有の芳香成分“リモネン”よりも高い鎮静効果を持つ酢酸リナリルとリナロールの含有量が高い。
心のサポートを得意とするベルガモットは、情緒が不安定になる秋によく用いられる。
気持ちの落ち込みは、やる気の減退や不眠など、マイナスの影響につながるので、早めのケアが大切。
秋の夜長に精油を焚いて読書をしたり音楽を聴いたりしているとしみじみとアロマセラピーの季節到来を感じるこの頃。
不安定なこの環境の中だからこそ、香りを使った秋の心のデトックスは大切な私の習慣。
みき なおみ
アロマ・ビューティー・プランナー
植物サイエンスをベースとした、ナチュラルコスメの仕事に長く関わる中で、自身も年齢を重ね変化する体調や肌のトラブルを幾度となく植物の力に助けらたことから、生まれ育った日本の植物の力に目を向け、その魅力を伝えている。
プロフィール
1996年にメディカルアロマテラピーの草分け的存在であったアロマテラピー製品の輸入卸販売会社に入社。統括マネージャーとして活躍。
その後、原料の栽培から製品の製造まで一貫して行う国内のナチュラルコスメーメーカーに入社。化粧品について研鑽をつみながら、スキンケア製品のプロモーション業務を担う。
現在では、独自に和製ハーブとスキンケアの研究をしながら、シズージュ・コンシェルジェとして活動している。